映画レビュー あの頃、君を追いかけた

見てきました。

 

あの頃、君を追いかけた

anokoro-kimio.jp

原作

那些年,我們一起追的女孩。

映画『あの頃、君を追いかけた』公式サイト

 

baike.baidu.com


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もともと、原作を見たことがある上での日本版鑑賞です。

以下、ネタバレあり。

 

 

 

 

 

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正直いうと、日本版は日本版の良さもありながら、やはりオリジナルの良さを全部は出せていないな〜〜〜!という気持ちが半分あり。

だけど、普通に青春映画としては面白かった。

ただ、オリジナルが最高すぎるので、オリジナルの感想を踏まえながら日本版の感想を述べていこうと思う。

 

あの頃、というのは1994年の台湾。

この作品は監督のギデンズ・コー(九把刀)の自伝である。

台湾中部、彰化市の出身で、この作品の高校生活の頃の舞台でもある。

途中途中、男子高校生らしいシモネタ満載バカバカしさを挟んできながらも、半自伝的なところもあり、実際の台湾の生活が垣間見ることができる作品である。

 

物語は、オリジナルと構図が一緒で、たくさん落書きされたノートを読み返しながら結婚式場に行くまでに友人二人に「急げよー」と言われてりんごをかじるシーンから始まる。

オリジナル版では実際の台湾の中部、彰化市の町並みが映る。

日本版では場所が明らかにされていないながらも、どこかの片田舎での物語。

オリジナルでは多少紹介されておきながらも、日本版ではもっと登場人物の紹介が色濃くされており、

(本当にそこまで複雑な設定いる?)と疑問に思いつつも、後々すべて伏線を回収してくれたのでとても良かった。

また、オリジナル版ではあまり存在感がなかった、ヒロイン(台湾:沈佳宜 日本:早瀬真愛)の友達(台湾:胡家瑋 日本:小松原詩子)が

主人公(台湾:柯景腾 日本:水島浩介)の幼馴染として、恋心を抱いているという設定も、真愛と浩介の二人だけのストーリーにまたさらに青春の甘酸っぱさを加える形でとても良かった。

物語の前半は高校生活が描かれるのであるが、日本だと漫画の中によくある校則が厳しい学校である。

台湾は実際に存在する学校であるので、実際もこのような学園生活だったのだろうと思うことができる。

ただ、やはり日本版が台湾版を意識しているのはすでに明白であり、現在の日本ではなかなかない、学校シャツに名前が刺繍されているのはとてもよかった。

先程も述べたが、日本版はメインメンバーの設定がオリジナル版より付け加えられており、また、オリジナル版だとテンポよく出てくる主人公の悪友たち(主人公除く4人)が、日本版だとなかなか出てこず、最初は「本当に出てくるのか!?」と少しどぎまぎしたが、

メインメンバーの設定を日本らしく付け加えたのは、日本版で一番いいアレンジだったと思う。

真愛が医者の娘で、深窓の令嬢故に世間知らず、という設定も漫画の設定っぽくて日本らしく感じたし、

浩介の格闘技に対する熱い想いも、のちのちの真愛との別れにつながるところがわかりやすくてよかった。

阿和が、実はゲイだったというのは最初は最近流行りのLGBTに寄せてきたのか〜〜〜!???とあんまり好意的には受け取っていなかったのだが、

ラストは誰一人として不幸になるようなこともなく、むしろ幸せになるような形でいいフラグの回収の仕方だったと思う。

また、浩介の幼馴染である詩子が、後々真愛とともにルームシェアし、恋話をする、というのも日本の青春映画らしいワンシーンとなって、日本版なりの面白さだなと感じた。

ただし、原作に寄せすぎて、少し残念に感じた点はいくつかある。

真愛と浩介のデートの場所が、原作と同じく平渓で撮影されているのだが、そこはすごく違和感に感じてしまった。

(え、付き合ってもいないのに台湾まで旅行!?)

あとは、地震のときの久々の浩介と真愛の電話。オリジナルでは実際に台湾の921地震のエピソードだと伺えるが、日本版はどうしても地震のときの携帯をフリフリするようなシーンに何故か違和感を感じてしまったのだ。

 

だが、総評するととてもよかった。

エンディングの

言えなかったこと

言えなかったこと

もすごく良かったし、

何より齋藤飛鳥が最高に可愛かった。最高でした。

 

いろいろ、やはり半自伝的なオリジナル版と比べて日本版は多少漫画のような設定が入ってきたが、どちらもストーリーとしてはあの頃の自分たちの青春を噛みしめられる作品としては最高に良かったので、ぜひ見てほしい。

 

仕事が忙しいんだか忙しくないんだか微妙であるが、もう一度ちゃんと見てこようと思っている。